ハイメール通信

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ハイメール通信No.853　2024.3.26
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戦争がもたらす子どもたちへの心身の影響を覚えて
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昨年10月のハマスのテロと、それに続くガザでの戦争が、子どもたちの心身に深刻な影響を与えているという調査結果が報告されました。児童福祉協議会によると、身体的また精神的に傷を負っていると国立保険協会が認定した子どもは19407人（2月末時点）、うち約4割の7257人は6歳未満です。また別の全国調査では、2〜12歳の子どもを持つ親の84％が、子どもたちが精神的苦痛を感じていると回答しました。恐怖や不安を訴えている子どもは6割以上に及びます。また、子どもに対する暴力、ネグレクトも急増し、10月からの3カ月間で、社会福祉省のホットラインへの相談件数は、昨年同期比で約3割増加しました。

10月7日のハマスのテロ攻撃では、18歳未満の子どもたちが直接攻撃を受けました。38人が虐殺され、42人が拉致されました。うち40人は解放されましたが、1歳と4歳の兄弟2人は、両親と共にいまだ拉致されたままです。20人が両親を失い、96人が片親を失いました。テロ現場で暴行を受けた子ども、また、目の前で家族が拷問・虐殺され、親が人質にされた子どももいます。さらには、続くガザでの軍事作戦で親を亡くした子ども、親の精神の崩壊によって苦しむ子どもなど、受けた傷の深さははかり知れません。

学校教育にも大きな影響が出ています。戦闘の激しい北部と南部国境から避難した子どもたちは約5万人。そのうち、避難先で教育を受けられていない子どもは8千人に上っています（昨年12月末現在）。この先、北部の戦況によっては、さらに国内避難民が増え、子どもたちの教育確保がより深刻になると予想されています。

ガザ国境近くのあるキブツでは3月、仮設学校の開校式が行われ、避難していた250人の子どもたちが戻ってきました。しかし、子どもたちは一様に静かで、笑い声も聞こえてきません。そのほとんどの親が殺されたり、拉致されたりしていて、トラウマが深く刻まれているためです。開校を支援したあるNGOの代表は「もし私たちが子どもたちをケアしなければ、失われた世代が生まれるでしょう」と危機感を募らせています。児童福祉協議会も、「子どもの健康や教育、福祉の切実な必要を最優先に考える必要がある」として、政府に改善を求めています。

子どもは国の未来そのものです。この戦時下で、影響を受ける子どもたちのため、国や関係各所に知恵が与えられるように。主が子どもたちの心身の傷を癒やしてくださり、イスラエルの未来を築いていくことができるようにお祈りください。
「主よ　あなたは貧しい者たちの願いを　聞いてくださいます。あなたは彼らの心を強くし　耳を傾けてくださいます。みなしごと虐げられた者を　かばってくださいます。地から生まれた人間が　もはや　彼らをおびえさせることがないように」（詩篇10：17〜18）
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