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プロジェクトレポート

経済危機による反ユダヤ主義の激化

TEXT:B.F.P.Japan編集部

ユダヤ人に向けられる非難

経済危機のニュースが世界中を駆け巡っています。イスラエルも例外ではありません。厚生大臣アイゼック・ハーツオグ氏によれば、イスラエルでは今後さらに15万人が貧困レベルに達するということです。しかし、国内の貧困もさることながら、困難な時代が来ると、歴史的に繰り返されてきた「反ユダヤ主義」が深刻さを増します。今やそれは世界的な広がりを見せ、憎しみの標的となってきたユダヤ人にとって、かつての悪夢が再び繰り返されています。ロシアのプラウダ紙のホームページに、次のような記事が掲載されました。

「フランス、ドイツ、イタリアのリーダーたちがロスチャイルド、クーン・ローブなど、ヨーロッパの巨大銀行に有利になるよう働いている。問題は、ヨーロッパのほとんどがシオニストの操り人形と化した政権、大学の崩壊、第三世界からの移民の流入に飽き飽きしていることだ。ヨーロッパ全体を統治するヒトラーのような人物がもうすぐ選ばれる可能性がある」。

経済危機の中でユダヤ人は再び非難を受けています。これまで反ユダヤ主義は、旧ソビエトやイスラム諸国、あるいはフランスなど一部の地域でのみ見られるものでしたが、今ではユダヤ人にとって安全だと思われていた国――アメリカ、カナダ、イギリス、そしてオーストラリアのような国々にさえその脅威が飛び火しています。

後を絶たない移民

このような困難な時代にあって、イスラエルにユダヤ人が帰還できるように助けの手を差し伸べることがこれまで以上に重要になっています。過去20年間、100万人以上のユダヤ人がイスラエルに帰ってきました。そのほとんどは旧ソビエトからです。今日ではフランスからの移民が増えています。

今、イスラエル国外のユダヤ人共同体は大きな危険に直面しています。イランの小さなユダヤ人共同体には2万5千人から3万人がいますが、彼らは最も危険な状況にあると言えます。また、昨年は南アフリカからの移民が増えました。そして、里親プログラムに登録しているアルゼンチンからのある若い女性の移民は、ユダヤ人であるという理由で攻撃されることに疲れ切っていました。

現在、BFP(ブリッジス・フォー・ピース)の救出プログラムでは、旧ソビエトにいる5万人の人々を帰還させる準備を行っています。帰還までに2.3年の準備期間を要しますが、現地チームはユダヤ人であることを証明する書類の手配や手続きのエキスパートです。ユダヤ機関が私たちチームの助けを求めることもあるくらいです。

同プロジェクト責任者のメル・ホーゾは、目に涙して、危機に直面している世界中のユダヤ人への思いを語り続けています。現場を熟知している彼からは、多くの必要と危機が伝えられています。この時代にあってBFPは、神が定め預言者によって聖書に記されているユダヤ人の帰還にこれまで以上に力を注ぐ決意をしました。

手遅れにならないうちに

世界中のユダヤ人共同体が直面している危険に対して、何かをする機会が私たちには与えられています。イザヤ書49章22節にあるように、神は異邦人を使ってユダヤ人を故郷に連れ戻すご計画をおもちです。「見よ。わたしは国々に向かって手を上げ、わたしの旗を国々の民に向かって揚げる。彼らはあなたの息子たちをふところに抱いて来、あなたの娘たちは肩に負われて来る」。

BFPはエズラ基金と共に、これまで3万人のユダヤ人帰還を実現しましたが、さらになすべきことがあります。アルゼンチンを始めとする貧しいユダヤ人を助け、東西南北あらゆる地域から彼らをイスラエルに帰すための準備が必要です。また、神がイランにいるユダヤ人を危機的な状況から助けてくださるよう祈る必要があります。

神がイザヤ書49章22節で語っておられる人々のように、私たちも主のために自分を捧げる時が訪れています。実際、神のご計画の一部として皆様が共にこの使命に立ってくださったことで、神のご計画が実現しています。救出支援を受けた方々から、多くのお礼の手紙が送られてきます。最近、デイマ&アレナ・アクロフさんから次のような手紙を頂きました。

「私たちは、皆さんの経済的援助とご好意に感謝しています。スタッフの皆さん、また特に私たちを助けてくれた方々に感謝を申し上げたいと思います。私たちはすでにキブツ(集団農場)の環境に慣れました。整った心地良い住居に住み、おいしい食べ物が十分にあります。ヘブライ語の勉強も順調です。地中海に面したこの辺りには美しい場所がたくさんあります。重ねてお礼を申し上げます」。

恐らく皆様は一人のユダヤ人の帰還には、多額の費用が掛かると思っておられることでしょう。一人のユダヤ人が帰還するためには、平均約4万円の支援が必要です。実際、これは決して小額ではありませんが、この支援さえあれば一人の人の命を助けることができます。もちろん全額ではなく部分的な支援も大きな助けです。反ユダヤ主義が危険なレベルにまで達している今、手遅れにならないうちに彼らを助け出さねばなりません。

第二次世界大戦後、多くの人々が戦時中を振り返り、もっとなすべきことがあったのにと後悔しました。

状況を変えられる間に、ヒトラーによる反ユダヤ主義の最終目標に気付かなかったことを悔やむ結果となったのです。私たちは歴史から学び、手遅れにならないよう、今私たちにできることを精一杯、行いたいと思います。ぜひ、イスラエルに神の民を帰すという主のご計画のお手伝いをするパートナーになってください。今やシオンを愛する定めの時が来ているからです。(詩102・13、14)

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