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プロジェクトレポート

ベイト・シェメシュの子どもたちを訪れて -キッズ・プログラム現地レポート-

アダヤフー小学校の給食時間(写真撮影をせがむ2年生たち)

本誌3月号に、BFPが支援する町についてのレポートがありました。4月からイスラエル本部でボランティアを始めた私は、よもやその町を訪れることになるとは思ってもみませんでした。

ベイト・シェメシュ市

エルサレムの西に位置するベイト・シェメシュ市は、ユダ、タマル、ヨシュア、サムソン、デリラ、ダビデ、ゴリヤテが歩き、聖書に19回登場し、聖書の時代から数えて4千年の歴史をもつ地域です。また、最初のクリスチャン殉教者であるステパノはこの地に埋められたと言われています。使徒パウロを教えたラビ・ガマリエルもこの地に住んでいたと言われています。この土地はブドウ園、オリーブ園、麦畑などの農園や、自然と遺跡の発掘現場に囲まれています。1948年のイスラエル国家復興後、近代ベイト・シェメシュ市は1950年に再建され、今では8万人を超える人々がこの町に根を下ろしています。同市では長年にわたり、北アフリカ、イラク、イラン、東西ヨーロッパ、南北アメリカから積極的に新しい移民を受け入れています。今日では英語圏やエチオピアからの移民が多く入植し、人口の8割近くが40歳以下、5割がこの国の未来を担う21歳以下で形成されています。

「太陽の家」を意味するベイト・シェメシュ市では最先端技術を用いた太陽熱の研究などが行われる傍ら、現代社会に初めて接する移民たちが、新しい文化や教育環境で困難に直面しています。適応できない移民はその家族共々、貧困に陥ります。近年ではその多くが、増加傾向にあるエチオピア系で、英語圏からの移民との文化・習慣の差から生じる摩擦も問題となっています。

BFPではイスラエルに散在するベイト・シェメシュ市のような町に、キッズ・プログラムやタウンサポート・プロジェクトを通して、食料配給や資金援助を地元自治体と協力して行っています。今回訪れたベイト・シェメシュ市は両方のプログラムの支援を受けています。

エリヤキム小学校の子どもたち

私は、市長が理事長を務めるベイト・シェメシュ開発基金事業「ケレン・シェメシュ」を通して、BFPが支援する子どもたちの通う学校を見学させてもらいました。エリヤキム小学校は貧困層が集中する旧市街にあります。300人の生徒のうち三分の一がエチオピア系です。キッズ・プログラムの支援を受ける前には、貧しい子どもたちは給食や学校のかばん、文房具などの費用を支払うお金がありませんでした。また、教科書を購入することもできず、同級生と教科書を共有する子どもたちもいました。学校で問題のある子どもたち50人の両親を集めた際、20人の子どもたちの親が刑務所に入っていることが分かりました。このような環境で、学校自体にも経済的余裕はなく多感な子どもたちの健全な成育と人格形成が懸念されていました。

へブライ語の歌を歌うために並ぶ
5年生とアヴィグドール校長

キッズ・プログラムの支援により、今では子どもたちは全員給食を食べることができます。病気で欠席しても、一日のうちで唯一の暖かい食事である給食を食べるために、お昼時間に学校に来る生徒もいます。また、BFPのボランティアたちが、学校の環境改善のため校内を色彩豊かにし、木を植え、温室を立てるなど、子どもたちが楽しく健やかに勉強できる環境づくりに貢献しています。「遠い外国から子どもたちを支援する里親やボランティアたちを通して、今は与えられる立場にある子どもたちが、与えることの価値を学び、いつか与える人間に成長していくのです」と、アヴィグドール校長は話してくれました。5年生のクラスをお邪魔した際、訪問している私たちのために、子どもたちがヘブライ語の歌を歌ってくれたのが印象的でした。

隣接するアダヤフー小学校では、給食の時間に2年生のクラスを訪れました。この日の給食はファラフェル(ヒヨコマメの揚げ物、フムス、野菜をピタパンにはさんだもの)。写真を撮る私を囲むように子どもたちが集まってきました。子どもの純粋さと好奇心は万国共通です。

ケレン・シェメシュを運営するメイール氏はこの町に情熱を注ぎ、ここの人々に希望をもっています。彼の補佐のハーリーは、日本の里親やイスラエルを支援されている方々にぜひこの町を訪れてほしいと話します。BFPの活動は、ただ食料物資を援助するだけでなく、心と心の生きた交わりをもたらし、人々の精神的な健康にも貢献し、聖書の預言の一端を担っていることを実感する訪問となりました。

「見よ。わたしはこの町の傷をいやして直し、彼らをいやして彼らに平安と真実を豊かに示す。わたしはユダとイスラエルの繁栄を元どおりにし、初めのように彼らを建て直す。」(エレミヤ33:6-7)

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