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プロジェクトレポート

共に築く子どもたちの未来

文:ピーター・ファスト(BFP 国際会長・CEO)

誰かが自分のことを覚えてくれている。
その事実は子どもたちの大きな支えとなり、未来を築く力を与えます。
キッズプログラムを通じて、私たちは子どもたちの未来を築いているのです。

今年初め、イランのミサイル攻撃で父親を失ったノア君(仮名/写真中央)
Photo by McCoy Brown/bridgesforpeace.com

ある小学校へ支援物資の配達に行った時のことです。キッズプログラムのコーディネーターの女性に呼び止められました。「2年生の男の子のために、もう一つ、誕生日プレゼントを融通してもらえないでしょうか」

彼女は簡単にその男の子、ノア君(仮名)の事情を話してくれました。彼の父親は今年初め、イランからのミサイルがベイト・シェメシュに着弾した際に亡くなってしまったそうです。

私たちが配達に行った週はちょうどノア君の誕生日がある週で、「彼に特別な祝福を贈りたい」とコーディネーターは考えました。

「もちろんです」。私たちは快諾し、ノア君の小さな手にプレゼントを渡すと、その顔は満面の笑みで輝きました。「こんな笑顔はしばらく見たことがない」と先生方も驚くほどの笑顔でした。

「ヨム・フレデット・サメアハ」(お誕生日おめでとう!)。ヘブライ語でそう伝えながら、私たちの心中は複雑でした。父親のいない初めての誕生日が、果たして幸せなひとときとなり得るだろうか、と……。

私たちが帰り支度を始めると、ノア君は恥ずかしそうに「一緒に写真を撮ってほしい」と頼んできました。ささやかな思い出として、この日のことを手元に残しておきたかったのです。

翌日、学校のカウンセラーからわざわざ電話があり、悲しみに暮れるノア君にとって「自分は忘れられていない」と感じられる日だったと感謝を伝えられました。

実はノア君は、BFPの「キッズプログラム」には登録されていません。あの日、私たちが予備の誕生日プレゼントを持っていたのは、偶然でした。彼は支援を必要としながらも、私たちに余力が無いために手を差し伸べることができない何千人もの子どもたちの一人です。

矛盾に満ちた国

9月、イスラエルでは新学年が始まります。わが家の子どもたちも期待に胸をふくらませる季節です。新しい通学用カバン、興奮で眠れない夜、新しい友達や新しい発見に思いを馳せる子どもたちにとって、9月は特別な月です。一方、ノア君のような子どもたちにとっては別の意味を持ちます。

イスラエルは対照的な顔を持つ国です。急成長を遂げるハイテク産業と活況を呈する株式市場、そして世界屈指の優秀なエンジニアを輩出している一方で、児童の貧困率はOECD(経済協力開発機構)の加盟国の中でも常に最悪です。

イスラエル国民保険庁によると、イスラエルの子どもの約28%に当たる88万人近くが、貧困線以下の生活を送っています。親が働いていないからではありません。貧困と失業が密接に関係する国々と違い、イスラエルの貧困世帯はかなりの割合で片親か両親が働いています。問題は、住宅費、食費、子育て費用といった生活費が急騰し、フルタイムの給与でももはや賄いきれないほどになっていることです。

そこに戦争が重なり、さらに状況は深刻化しています。予備役の招集により父親たちは数カ月単位で仕事を離れざるを得ません。国境付近の企業は閉鎖に追い込まれ、北部や南部から避難を余儀なくされた家族は、住まいだけでなく収入源も失いました。10月7日のテロ以前から困窮していた世帯は、この日以来、窮地に立たされています。

抜け出せない悪循環

今年9月、100万人近い子どもたちが、お腹を空かせ、周りから遅れをとった状態で登校します。専門家によれば、空腹の子どもたちは集中力に欠け、教えられた内容を記憶することも容易ではありません。そのため、十分に食事を取っている同級生と対等に競い合うことは困難です。貧困の悪循環を自力で抜け出すことは難しく、子どもたちは不利な状況を抱えたまま卒業する傾向があります。

温かい給食を児童に提供するBFPボランティアたち。
貧困家庭の子どもたちにとって、
学校給食は大切な栄養源となっています
Photo by McCoy Brown/bridgesforpeace.com

温かい食事、通学用カバン、他の子どもたちが当然のように持っている鉛筆やノートなどの学用品。こうした物資支援は、恥ずかしさのあまり教室の後ろの席で黙り込んでしまう子どもたちの心を解放し、周囲の友達と対等な立場に立たせます。こうして、子どもたちは子どもらしく振る舞うことができ、学び、成長し、将来の夢を抱けるようになるのです。つまり、私たちはイスラエルの未来を築いているのです。

私たちが担うべき使命

神が私たちと引き合わせてくださるすべての子どもたちは、私たちが共に担うべき存在となります。それは、家族に代わって背負うということではなく、家族と共に支え合っていく支援です。これこそキッズプログラムの役割です。

皆さんからのご支援は、温かく栄養価の高い学校給食を提供し、必要な学用品の詰まったカバンを届けます。さらに、校外学習や放課後の活動費も賄うことで、子どもたちが疎外感を味わうのを防ぎます。

聖書はこう語ります。「飢えた者に心を配り、苦しむ者の願いを満たすなら、あなたの光は闇の中に輝き上り、あなたの暗闇は真昼のようになる」(イザ58:10)。どうか、私たちといっしょに子どもたちの力になっていただけないでしょうか。

ノア君のような子どもたち、また彼と同じような境遇にある何千人もの子どもたちにこう伝えたいのです。「私たちはあなたを見守り、必要な物を届けます。そして、あなたを支え、守ります」と。

ぜひキッズプログラムへの惜しみないご支援をよろしくお願いいたします。

困窮家庭の子どもたちへのご支援は「キッズプログラム」をご指定ください。1年間継続して1人のキッズを支援するプログラムと、1回の特別支援からお選びいただけます。
ご入金方法は、下記バナーよりリンク先をご覧ください。

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